主 催 イ ベ ン ト

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「THEATRE DE LA MODE-モードの劇場展」は1945年から1946年にかけてパリを皮切りに6ヶ国で開催された人形衣装展。戦後の物資 不足で生地をふんだんに使うことが出来ないデザイナーたちは、70cm大のワイヤーマネキンにニューモードを着せて紹介した。衣装 のみならず、帽子、靴、手袋、バッグ、刺繍、カツラに至るまで職人によって最新モードのミニチュア版が制作され、さらに人形に 合わせた比率で本物と同じデザインの宝飾品が作られたり、ジッパーやボタン、ポケットも本物同様の機能性を持たせるなど衣装の ディテールにも凝りに凝った。そしてそれらの着飾った人形は、ジャン・コクトー、クリスチャン・ベラールといった気鋭のアーテ ィストによって制作された劇場風のセットの中に展示され、エレガントでゴージャスな世界を創り出した。この人形衣装展は戦後の 人々の心を捉え各地で話題を呼び大成功を収めました。そんな「テアトル・ドゥ・ラ・モード」を再びパリで開催するべく、当時マ ネキンをパリ・クチュール協会より寄贈されていたワシントン州・メリーヒル美術館、リンダ・ブラディ・マウンテン館長らスタッフ によって130体のマネキンは修復、紛失していたセットは復元され、45年振りに見事に甦りました。戦後のクチュール・ファッショ ンの真髄をミニチュアサイズのモード劇場として再現し、パリ・モード美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館を巡回し、東京 での開催に至りました。


≪開催概要≫


会期:1991年8月1日(木)~8月30日(金) 11:00~19:00
場所:The Space(表参道 ハナエ・モリビル5F)
料金:一般1,000(900)円、学生700(600)円 ※( )内は前売り料金
物販:カタログ5,000円(販売中
主催=財団法人ファッション振興財団
後援=通商産業省/文化庁/東京都/アメリカ大使館
協賛=NTT/資生堂/オリエントコーポレーション
協力=メリーヒル美術館(アメリカ・ワシントン州)/日本航空




 「ミニチュアシアター」と呼ぶにふさわしく、マネキン、
 衣装、小物、舞台、装飾や照明に至るまで凝っていてま
 さに職人芸。観客(来場者)は劇場風セットの世界に吸
 い込まれるようだ。45年前は、戦後の不況下で国民の士
 気を高揚させると共に服飾産業が戦禍の中でも健在であ
 ったことを世界にアピールすることを目的に開催された
 「モードの劇場展」でした。





 出番を待つマネキンたち。ワイヤーマネキンに着付けら
 れた状態でハンガーラックに吊るされているが、通常の
 ドレスの半分程しかない。





 ジャン・コクトーの「映画監督ルネ・クレールに捧ぐ:私
 は魔女と結婚した」照明効果もあり独特の世界が創り出
 されている。





 劇場セットへの飾り付け。ワイヤーマネキンにはセラミ
 ックの頭部が付き、さらにカツラや帽子、靴、ストール
 などがスタッフの手で着けられていく。





 まるで劇のワンシーンのようで話声が聞こえてきそうだ。
 キャプションには1体1体の衣装、装飾、舞台の作者解説
 などが記載されている。